特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅲ 腫瘍
35.婦人科がん予防・治療
天神林 友梨
1
,
佐藤 豊実
1
Y. Tenjimbayashi
1
,
T. Sato
1
1筑波大学医学医療系産科婦人科学講座
pp.1324-1332
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003170
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子宮頸部由来の悪性腫瘍であり,ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)関連と非関連のものがある。組織型は,扁平上皮癌73%,腺癌21%である1)。初期では症状はなく,検診で偶然発見されるか,不正出血,帯下異常などで受診し発見される。進行すると,尿管狭窄や閉鎖による腎後性腎不全,尿道浸潤による尿閉,腫瘍からの大量性器出血で発見されることもある。転移・再発様式は術後の腟断端再発や,リンパ行性あるいは血行性が多く,播種は比較的少ない。20歳台から発症し,30歳台後半にピークがある。年間10,000人が罹患し3,000人が死亡する(2022年)。HPVワクチン接種が進んでいる諸外国では,子宮頸部異形成だけでなく子宮頸癌の減少が報告されている。HPVワクチン接種による一次予防と検診による二次予防がともに重要であり,前癌病変である異形成の時点での適切な管理と治療が予防となる。
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