特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅰ 症候からの鑑別診断
10.下腹部痛
柴田 綾子
1
A. Shibata
1
1淀川キリスト教病院産婦人科(医長)
pp.1161-1167
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003143
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下腹部痛には急性と慢性(3カ月以上続くもの)があり,本稿では急性の下腹部痛を中心に解説する。日本の診断群分類(Diagnosis Procedure Combination;DPC)データ研究による急性腹症の女性入院患者において,約23%が婦人科疾患であった1)(図1)。婦人科疾患での腹痛の原因には,① 妊娠に関連するもの(異所性妊娠,流産,卵巣過剰刺激症候群),② 妊娠に関連しないもの(卵巣囊腫茎捻転,卵巣出血,子宮内膜症性囊胞の破裂,子宮筋腫変性,子宮筋腫捻転,月経困難症,骨盤内炎症性疾患,子宮留膿症)などが挙げられる2)。各疾患に関しては他稿を参照していただきたい。
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