特集 婦人科がん治療における下肢リンパ浮腫―センチネルリンパ節生検の保険適用はなぜ必要なのか
3.子宮頸癌に対する広汎子宮全摘出術+CCRTの是非
澤田 健二郎
1
K. Sawada
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室
pp.897-903
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003075
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子宮頸癌の広汎子宮全摘出術後の再発リスク群に対する術後補助療法は複数の第Ⅲ相試験より同時化学放射線療法(CCRT)が標準治療である。しかしながら,広汎子宮全摘出術後にCCRTを行うと,おおよそ約50%の症例でリンパ浮腫を発症させ,約30%の症例で腸閉塞症状を発症すると報告される。しかもこれらの有害事象は永続的であり,子宮頸癌が治癒したとしても患者は悩み苦しんでいる。この臨床的課題を解決するために術後化学療法とCCRTの治療効果の比較やセンチネルリンパ節の安全性,有用性を検証する第Ⅲ相試験が進行中である。それらの結果により,今後わが国における子宮頸癌治療のパラダイムシフトが起こるかもしれない。
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