特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
各論
4.糖代謝異常症
和田 陽一
1
Y. Wada
1
1東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野(非常勤講師)
pp.689-692
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003013
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ガラクトース血症とはガラクトースの代謝に関する酵素欠損症であり,新生児マススクリーニングの公費対象疾患である。最も重症型であるⅠ型以外にもⅡ~Ⅳ型まで存在し,さらにガラクトース血症以外にも血中のガラクトースが高値となる疾患は複数存在しており,マススクリーニングの検査結果だけで診断することは通常困難である。しかし,ガラクトース血症Ⅰ型は生後1週間程度で急性症状を発症するため,もし再検査対象児が哺乳不良や全身状態不良を呈していた場合には,早急に精査医療機関への紹介を要するなど,未診断例でも迅速な対応を要することがある。また,原因にかかわらずガラクトース高値が続くと白内障を起こしうるため,再検査は遅滞なく進めることが肝心である。
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