特集 産婦人科医が知っておきたい プレコンセプションケアの最前線Ⅱ
5.卵巣機能とプレコンセプションケア
岩澤 卓也
1
,
藤嶋 明子
1
,
白澤 弘光
1
,
寺田 幸弘
1
T. Iwasawa
1
,
A. Fujishima
1
,
H. Shirasawa
1
,
Y. Terada
1
1秋田大学大学院医学系研究科産科婦人科講座
pp.557-562
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002977
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出生後から卵胞数は減少し,加齢とともに卵子の染色体異常が増えることで妊娠率は低下し,流産率は上昇する。プレコンセプションケアとして年齢によるこれらの変化を知ることは,適切な時期に妊娠を希望するライフプランを立てるのに役立つ。喫煙や肥満は卵子の質を低下させ,過度な体重減少は卵胞発育・排卵障害をきたす。生活習慣は女性の健康だけでなく,卵巣機能にも影響を与える。化学療法,放射線療法は早発卵巣不全のリスクがある場合は妊孕性温存療法の適応となる。生殖補助医療で頻用されている抗ミュラー管ホルモン検査の解釈についても触れ,プレコンセプションケアで押さえておくべき卵巣機能の変化について概説する。
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