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思春期女性を癒す漢方 第2回 月経困難症の漢方治療
池野 一秀
1
K. Ikeno
1
1長野松代総合病院小児科・思春期漢方外来
pp.1159-1165
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002736
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月経困難症の治療では,NSAIDs,ホルモン投与などが行われるが,副作用などの問題点も存在する。芍薬甘草湯の頓服投与,当帰芍薬散,桂枝茯苓丸,桃核承気湯,当帰建中湯などの漢方薬は一定の効果があり,安全性も高いことから,一度は試みてよい治療法と考える。標治(対症療法)である芍薬甘草湯は,内服を繰り返すことで効果が増強する。本治療(原因療法)である当帰芍薬散,当帰建中湯は,冷えやむくみを訴える症例に,桂枝茯苓丸はアスリートなど筋肉質の症例に,桃核承気湯は便秘を伴う症例を目安に投与することで,月経症状の緩和が期待される。
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