今月の臨床 がん遺伝子検査に基づく婦人科がん治療―最前線のレジメン選択法を理解する
遺伝子診断
BRCA遺伝学的検査とはどのような検査か,何がわかるか
西野 幸治
1
,
西川 伸道
1
,
関根 正幸
2
,
榎本 隆之
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科家族性・遺伝性腫瘍学講座(産科婦人科)
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御分野(産科婦人科)
pp.317-322
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210611
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●卵巣がんに対するBRCA遺伝学的検査は,その目的により①PARP阻害薬適応判断のためのコンパニオン検査,②遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を診断するための検査,に大別される.
●卵巣がんの約15%はHBOCであり,その診断を目的としたBRCA遺伝学的検査は,すべての卵巣がんに対して保険診療として実施可能である.
●BRCA遺伝学的検査により,発端者へのPARP阻害薬による治療や,がん未発症家系員へのサーベイランス・リスク低減手術の提供が可能となる場合があり,卵巣がん全例に対する検査実施を考慮すべきである.
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