特集 妊娠に影響する感染症の最新知識
14.HTLV-1
宮沢 篤生
1
T. Miyazawa
1
1昭和大学医学部小児科学講座
pp.737-743
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002620
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HTLV-1母子感染予防の基本は妊娠中の抗体スクリーニング検査と母乳を介した母子感染予防のための栄養方法の選択である。2017年に作成された母子感染予防対策マニュアルでは,「原則として完全人工栄養を勧める」と明記されていた。その後の厚生労働科学研究から得られたエビデンスを踏まえて改訂されたマニュアル(第2版)では,「完全人工栄養が最も確実な予防方法として推奨される」点に変更はないものの,一律に完全人工栄養を勧めるのではなく,「妊娠・出産・育児の観点からも完全人工栄養および短期母乳栄養それぞれのメリット・デメリットについて十分な説明を行い,母親が自らの意思で選択できるように共有意思決定支援を行う」ことが推奨されている。
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