特集 生殖医療の保険適用の実際Ⅱ
総論
保険適用の過程で行った学会の対応
-―ガイドライン,医薬品の調査と要望書―
廣田 泰
1
Y. Hirota
1
1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座(准教授)
pp.557-560
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002573
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2020年に不妊治療への保険適用という政府の基本方針が打ち出され,2022年度からの保険適用の実施の方針となった。それまで生殖医療は標準化されていなかったため,日本生殖医学会においてエビデンスと診療実態に基づいた生殖医療ガイドラインが作成された。生殖医療ガイドラインに記載の医薬品の多くは未承認薬・適応外薬であったため,日本生殖医学会では,生殖医療に係る医薬品の使用実態調査を取り急ぎ実施し,医薬品の要望書を作成し,医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議に提出した。公知申請によりこれらの医薬品は保険適用された。生殖医療ガイドラインで推奨レベルA・Bとされた,体外受精/顕微授精・胚移植の一連の基本診療は保険適用され,add-ons治療は先進医療となり,生殖医療の保険適用拡大が実現した。
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