Derm.'99
「再診日は?」/保険適用
松井 千尋
1
,
深水 秀一
2
1富山医科薬科大学皮膚科
2県西部浜松医療センター形成外科
pp.64
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902858
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皮膚科診療を続けてきて,簡単に治る病気とそうでないものを区別する勘については「少しは上達したかな」と感じられることがあります.初診のときにその勘が働いて「これは治る」と思っても,このごろはよく再診日を予約します.治療効果を再確認して今後の診療に生かすのだとか,経営的な観点から再診を予約しているとか,患者の喜ぶ顔を見たいのだとかいうことではありません.忙しい先生方には暇だからできるのだと言われそうですが,ただ単に病気が治るところが見たいのです.
皆さんも感じておられるでしょうが,先天的なものでも後天的なものでも治らない(コントロールすることさえできない)病気が多すぎます.たとえ生命に関係しない病気でも,再診の度に治らないと遠回しに説明し,慰めにもならないようなことを話していると,患者に会うことが憂うつになってきます.しかし一番困っているのは患者本人なのだし,治療のbreak throughに結びつくどんな小さな所見も見逃さないために,臨床医は治らない患者に会い続けなければいけないのでしょう.そんな時に治った患者を見ると,感謝されようがされまいが元気がでます.
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