特集 生殖医療の保険適用の実際Ⅰ
各論
4.医療現場における保険適用状況
蔵本 武志
1
T. Kuramoto
1
1蔵本ウイメンズクリニック(院長)
pp.475-478
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002547
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不妊治療保険適用後の状況について,患者およびART施設を対象にアンケート調査を実施した。患者側では「保険適用になってよかった」が67%,「変わらない」が18%,「悪くなった」が14%であった。よかった点は「経済的負担の軽減」が最も多く,悪かった点は「待ち時間の増加」「薬剤や治療範囲の制限」などであった。医療施設側では,ART患者数は73%が「増加」,19%が「変化なし」であった。ART初診患者はどの年齢層も増加がみられた。さらに,より早い段階でARTへのステップアップを希望する患者が増え,採卵時の平均年齢は0.7歳若年化していた。今後の課題として「精子凍結の保険適用」「男性感染症検査の保険適用」「薬剤使用範囲の適用拡大」などが挙げられた。
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