特集 産婦人科漢方医学―基礎と臨床のエビデンス―
基礎研究における漢方のエビデンス
8.がん治療における症状緩和のための漢方薬の利活用
-―科学的根拠に基づく処方を通して―
上園 保仁
1,2
,
宮野 加奈子
1
,
野中 美希
1
,
大島 佳織
1,3
Y. Uezono
1,2
,
K. Miyano
1
,
M. Nonaka
1
,
K. Ohshima
1,3
1東京慈恵会医科大学疼痛制御研究講座
2国立がん研究センター東病院支持・緩和研究開発支援室
3東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻
pp.267-272
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002491
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婦人科疾患においては,古くより多くの種類の漢方薬が用いられている。婦人科がん患者のがん治療およびその副作用改善においても,漢方薬が処方されるようになってきている。婦人科がん疾患に限らず,抗がん薬の副作用としても食欲不振,悪心・嘔吐,および口内炎はよくみられる症状である。前者には六君子湯が,後者には半夏瀉心湯が症状改善のために処方されている。本稿では経験をもとに用いられてきた漢方薬が,近年の科学技術の進展に伴い「なぜ効くのか」をもとに処方されていることを,特に六君子湯および半夏瀉心湯に焦点を当てて紹介する。
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