今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて
今の時代の漢方診療
科学的エビデンスに基づく漢方薬の作用メカニズムの解明―六君子湯,半夏瀉心湯,大建中湯を中心に
上園 保仁
1,2,3
,
宮野 加奈子
1
1国立がん研究センター研究所がん患者病態生理研究分野
2国立がん研究センター先端医療開発センター支持療法開発分野
3国立がん研究センター中央病院支持療法開発センター
pp.728-734
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209782
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●婦人科疾患には古くより多くの漢方薬が用いられている.婦人科がん患者のがん治療およびその副作用改善にも,漢方薬が科学的エビデンスをもって用いられている.
●婦人科疾患における抗がん薬の副作用として食思不振,悪心・嘔吐および口内炎がある.前者には六君子湯が,後者には半夏瀉心湯が科学的エビデンスをもって処方選択されてきている.
●外科手術後の腸管の癒着,イレウスならびに便秘の予防および症状改善に,大建中湯が科学的エビデンスのある作用メカニズムに基づいて用いられてきている.
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