原著
婦人科腹腔鏡手術後の整容性に関する検討
黒土 升蔵
1
,
笠原 幸代
1
,
浅井 千鶴
1
,
三浦 麻世
1
S. Kurotsuchi
1
,
Y. Kasahara
1
,
C. Asai
1
,
M. Miura
1
1常滑市民病院婦人科
pp.191-195
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002468
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婦人科腹腔鏡手術後創部の整容性について,The Patient and Observer Scar Assessment Scale(POSAS)2.0の日本語翻訳を用いて,「痛み」「痒み」「赤み」「硬さ」「盛り上がり」「違和感」「総合満足度」の各項目において,患者自身による評価に基づいて検討した。その結果,医療用ポリエステル織布テープであるアトファインTM(ニチバン株式会社)が使用された群では,「盛り上がり」において,中央値[最小値-最大値]の順でアトファイン使用群2[1-8]vs非使用群3[1-10](p=0.047)で有意に低い点数であり,アトファインがもつ非伸展性が可動に伴う創部の過伸展を防いで瘢痕の拡大や肥厚性瘢痕発生を抑制したためと考えられた。一方,「痒み」においては使用群3[1-9]vs非使用群2[1-8](p=0.018)で有意に高い点数であり,アトファイン貼付に伴う接触皮膚炎と考えられた。術後創部に対する十分な管理は,整容性に関する患者QOLの向上に寄与すると考えられた。
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