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ワクチン接種の意思決定時における「同調効果」:娘へのHPVワクチン接種意向と母親自身への新型コロナウイルスワクチンの接種意向の比較
八木 麻未
1
,
上田 豊
1
,
木村 正
1
A. Yagi
1
,
Y. Ueda
1
,
T. Kimura
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
pp.1573-1579
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002405
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日本人の意思決定時の特性としてしばしば指摘される「同調効果」について新型コロナウイルスワクチンと比較しつつ検証し,有効な介入について検証した。2021年3月に10~20代の娘がいる女性1,576名(年齢中央値48歳)を対象にインターネット調査を実施した。自身の新型コロナウイルスワクチン接種と娘のHPVワクチン接種について,どの程度前向きに考えるかを状況ごとに質問し,回答を比較した。どちらにおいても,接種を前向きに考えると回答した割合が最も高かったのは,「自分(娘)の周りが6~8割程度が先に接種した場合」だった。「医師から接種を勧められた場合」と「仲の良い友人が先に接種した場合」は同程度の割合が接種に前向きであった。「医師に勧められて接種」した人が「仲の良い友人」たちに接種を勧めることで接種が拡がり,さらに「6~8割が先に接種した」状況に向かっていくことが日本におけるワクチン接種へのためらいを乗り越える確実なステップであると考えられる。
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