特集 どうする? 子宮腺筋症の管理
10.子宮腺筋症に対するホルモン療法の実際
片岡 恒
1
H. Kataoka
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.1451-1455
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002372
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子宮腺筋症はエストロゲン依存性疾患であり,出産年齢の高齢化などで妊孕性を温存するホルモン療法の重要性が増してきている。低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は,疼痛改善効果は認められるものの,過多月経や不正出血などの症状に対してはジエノゲストやレボノルゲストレル子宮内放出システム(LNG-IUS)がよい適応である。GnRHアゴニストはその強いエストロゲン抑制効果から投与期間に上限があり,骨粗鬆症のリスクのために治療の第一選択薬では使いにくい。GnRHアンタゴニストは子宮腺筋症に適応はないが,エストロゲンを過度に抑制することなく治療効果を発揮し,特に不妊を伴う患者にはよい選択肢になりうる。このように患者それぞれのQOLを維持し,ライフスタイルに合わせた治療を行うことが重要である。
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