特集 どうする? 子宮腺筋症の管理
8.子宮腺筋症と産科合併症について
原田 崇
1
T. Harada
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.1439-1442
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002370
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮腺筋症によって生ずる過多月経や月経困難症に対する薬物治療の選択肢は増えたものの,子宮腺筋症による不妊症に有効な治療方針は定まっていない。それでも,以前は妊娠することが難しかった子宮腺筋症患者は,生殖補助医療(ART)の恩恵をうけて妊娠できるようになった。これまでの症例対照研究の成績によると,子宮腺筋症の既往がある妊婦は,早産,胎児発育不全,妊娠高血圧腎症といった産科合併症リスクが高いことが明らかとなった。しかしながら,子宮腺筋症による産科合併症リスクの分析は,子宮腺筋症の画像診断基準が定まってないこと,対象妊婦の数が少ないことから容易ではない。子宮腺筋症の局在部位を考慮した大規模な前向き調査が待ち望まれる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.