症例
進行した膵臓癌が右卵巣に転移して茎捻転を起こし,1年後に左卵巣に再発した1例
田邉 昌平
1
,
杉野 祥代
1
,
市田 耕太郎
1
,
新谷 潔
1
,
森島 秀司
1
S. Tanabe
1
,
S. Sugino
1
,
K. Ichida
1
,
K. Niiya
1
,
S. Morishima
1
1神戸市立医療センター西市民病院産婦人科
pp.1385-1388
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002349
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症例は55歳の女性で5カ月前に膵臓癌stage Ⅳと診断されていた。急激な下腹部痛で受診し,卵巣腫瘍を認めた。卵巣腫瘍茎捻転の診断で腹腔鏡下右付属器切除を行った。術後の病理診断で,膵臓癌の卵巣転移と診断された。手術して1年後に,左卵巣腫瘍を認めた。MRIでは粘液性境界悪性腫瘍が疑われたため再手術を行い,膵臓癌左卵巣転移と診断された。進行した膵臓癌の患者に卵巣腫瘍を認めた場合,画像所見で悪性所見がなくても卵巣転移をきたしている可能性があり,再発予防のために両側付属器切除を検討するべきである。
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