今月の主題 カルシウム代謝の基礎と臨床
トピックス
カルシウム拮抗薬
多田 道彦
1
,
門馬 正明
1
Michihiko Tada
1
,
Masaaki Kadoma
1
1大阪大学医学部・第1内科
pp.1230-1231
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217845
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Ca拮抗薬(Ca antagonists)とは,血管平滑筋や心筋(作業心筋,特殊心筋)における興奮収縮連関においてカルシウム拮抗性に作用し,その収縮性の低下を惹起させることにより,血管拡張,心筋収縮・刺激伝導抑制作用を示す薬剤のことを言う.平滑筋,心筋の収縮機構に関する最近の研究から,この薬剤作用の中心は,細胞内へのCaイオン流入を抑制することが指摘された.
今日,Ca拮抗薬として臨床的に使用されている代表的薬剤は,verapamil,nifedipine,diltiazemで,これらのCaイオン流入抑制作用は血管平滑筋に対して非常に特異性の高いものである.したがって常用量では血管拡張剤として作用するが,投与量によっては,心筋収縮抑制・抗不整脈作用をも示すことがある.
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