特集 妊娠高血圧症候群2024
基礎編:病態機序
〈トピックス〉高年妊娠でのHDP発症機序
古谷 毅一郎
1
FURUYA Kiichiro
1
1りんくう総合医療センター産婦人科
pp.1354-1357
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001748
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はじめに
女性の社会進出による晩婚化や生殖補助医療の進歩による妊娠年齢の上昇で,高年妊娠(advanced maternal age:AMA)が増加している。学術的にAMAの定義は未だ定まっていないが,児の染色体異常・妊娠糖尿病・子宮内胎児死亡が増加し始める35歳以上をカットオフとすることが多い1)。近年,卵子提供妊娠など生殖補助医療の進歩により妊娠年齢は先進国を中心にさらに上昇しつつあり,40代での妊娠例は珍しくない。米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention)によると,40歳以上の妊婦では若年妊婦と比べ母体死亡率は6.8倍上昇し,母体死亡原因の多くに妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)が関与していることが報告されている2)。
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