特集 専攻医のうちにマスターしたい産婦人科の外来・短期滞在手術
婦人科
2.処女膜閉鎖
藤井 絵里子
1
E. Fujii
1
1池上総合病院婦人科(科長)
pp.385-389
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002112
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処女膜閉鎖は思春期に入り,周期的な腹痛などで発見されることが多い。発生頻度は比較的稀であるが女性性器閉鎖では最も多い部位である。思春期女性の診療に際しては,疾患の理解や診察困難など留意すべき点がある。病状として腟横中隔,腟下部無形成と類似し,子宮奇形を伴う腟閉鎖などでは 泌尿生殖系異常(腎欠損)を伴うことも多い。症状が切迫している場合でも,閉鎖・異常部位によっては手術計画や治療成績などが異なるため,MRIなどの評価を適宜利用し,速やかで確実な診断・治療を要する。治療は処女膜切開術であるが,再癒着などの可能性や術後のケアに関して保護者とともに説明をしておくことが重要である。
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