特集 産婦人科診療に必要な遺伝カウンセリングの基本知識と実際
総論
5.遺伝性疾患の出生前検査にかかわるわが国の状況と検査機関
関沢 明彦
1
A. Sekizawa
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.151-154
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002048
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日本産科婦人科学会の見解では,重篤な遺伝性疾患の児を出生する可能性のある妊娠が出生前検査の対象とされている一方,多くの遺伝性疾患の遺伝子検査が出生後において保険収載され,広く行われるようになった。そのようななかで,遺伝子診断された疾患の児をもつ母親が次子を考えるとき,出生前検査について考慮することがあると思われるが,その検査に確実に対応できる検査体制が整備されていない。また,児の遺伝子検査に際し,遺伝性疾患が見つかった場合の家系内への影響や次子への影響などの情報提供が不足しているように感じる。遺伝医療の実施にあたってはこのような歪みがでないような制度設計が重要である。
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