特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【総論】
Ⅲ 抗悪性腫瘍薬使用時の副作用に対する対策
2.悪心・嘔吐
安部 正和
1
M. Abe
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.1349-1355
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001945
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化学療法誘発性悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting;CINV)は抗がん薬の代表的な有害事象である。脱水や低栄養などQOLを低下させるのみならず,減量や休薬など治療強度の低下にもつながるため,可能な限り予防・緩和することが重要である。CINVの主な患者関連リスク因子は,女性,50歳未満,妊娠悪阻の経験,飲酒習慣なし,不安,乗り物酔いの経験,予測性悪心,前治療時の悪心・嘔吐などである。治療関連リスク因子は抗がん薬の催吐性で,制吐薬をまったく使用しなかった場合の嘔吐発現頻度によって催吐性リスクが分類されている(表1)。
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