特集 産婦人科医が知っておくべき婦人科腫瘍の病理学
各論
8.外陰・腟腫瘍
森谷 鈴子
1
S. Moritani
1
1滋賀医科大学医学部附属病院病理部
pp.975-981
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001843
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外陰・腟の腫瘍で,最も多く遭遇するのは扁平上皮系の腫瘍である。上皮内腫瘍,浸潤癌ともに子宮頸部の扁平上皮系腫瘍との類似性を有しながらも,特に外陰では特有の背景因子や形態学的特徴を有する一群が存在する。最新のWHO分類(第5版)では,HPVに関連する腫瘍としない腫瘍を区別することになったが,現時点で扁平上皮系腫瘍に関しては両者の臨床的取扱いに差はない。外陰のHPV非関連扁平上皮系腫瘍には,細胞異型が乏しく,悪性と診断することが困難な腫瘍が含まれる。尖圭コンジローマは,日常よく遭遇する良性病変であるが,組織学的に類似性を有するHPV非関連病変が存在することも心に留めておく必要がある。皮膚科で取り扱われることの多い乳房外パジェット病も外陰部悪性腫瘍として重要な疾患である。
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