特集 産婦人科医が知っておくべき婦人科腫瘍の病理学
各論
7.絨毛性疾患
南口 早智子
1
S. Minamiguchi
1
1京都大学医学部附属病院病理診断科
pp.967-973
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001842
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絨毛性疾患は,栄養膜細胞に由来する増殖性病変や腫瘍性疾患を指す。HE標本における形態診断のみでは,流産や異所性妊娠などに関連した非奇胎絨毛と部分胞状奇胎や早期全胞状奇胎の鑑別が難しい場合も多い。また,他の腫瘍性疾患に比べて絨毛癌,胎盤部トロホブラスト腫瘍,類上皮トロホブラスト腫瘍などの絨毛性腫瘍の頻度は非常に低く,産婦人科医,病理医共に,疾患の理解や経験の蓄積が十分形成されにくい分野でもある。本稿では,絨毛性疾患の臨床像,押さえておくべき病理所見,診断確定に必要な補助的検査,ピットフォールと鑑別点などについて述べる。
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