特集 周産期に子どもを亡くした家族に寄り添う
―父親の思いを知る―あのときの幸せな気持ちを忘れない
木本 実
pp.941
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100426
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あれから,ずいぶんと涙もろくなった。バスや電車の中で,思い当たるきっかけもないのに,あの夜のことを思い出して涙が出てしまうことがある。
私たちにとって初めての子どもが生まれたのは,2005年3月12日,夜の10時30分だった。陣痛が始まってから31時間後。なかなか進まないお産に不安を感じなかったわけではないが,私たち2人は,助産師さんの励ましもあって特に焦ることもなくそのときを待った。
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