特集 日本の周産期メンタルヘルス事情update
3.妊産褥婦の自殺予防と周産期メンタルヘルス
竹田 省
1
S. Takeda
1
1順天堂大学産婦人科学講座(特任教授),愛育研究所(所長)
pp.593-598
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001745
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日本の妊産婦死亡(妊産婦死亡+後発妊産婦死亡)の原因は,海外と同様に自殺が最も多く,海外に比しその頻度は極めて高いため,早急な対策が望まれている。特に,後発妊産婦死亡として問題となるが,その統計は正確ではなく,死亡診断(死体検案)書の改変が求められている。妊産褥婦の自殺対策の実効性は世代包括支援センターなど,地域の行政システムができあがってもそれにかかわるソフト面が充実しなければ十分ではない。携わる人材の質的レベルを高め,個々の施設,部署内外でよくコミュニケーションをとり,連携し,機能することが重要である。事後症例検討などで,その後の評価,問題点の抽出,改善策などを見直し,地道に努力を重ねることが大切である。
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