特集 ワクチンの安全性と社会学—HPVワクチンの接種はなぜ広まらないのか?—
Ⅰ.感染性疾患とワクチンにまつわる諸問題
2.感染予防行動の行動科学的メカニズムと対策
平井 啓
1
K. Hirai
1
1大阪大学大学院人間科学研究科(准教授)
pp.255-262
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001654
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インフルエンザウイルスをはじめ,ヒトパピローマウイルス(HPV)やヒト免疫不全ウイルス(HIV),さらに現在感染拡大している新型コロナウイルスなどによる感染症の予防には,治療法確立により感染症罹患による影響を小さくすると同時に,ワクチンにより感染そのものを拡大しないようにする必要がある。そのためにはマスク着用や手指消毒,ソーシャルディスタンシング,ワクチン接種などの感染予防行動をできるだけ多くの人が実施できるようにする必要がある。そこで,感染予防行動の行動科学的メカニズムについて,行動変容の理論ならびに行動経済学の観点から解説を行い,その対策について論じる。
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