特集 不妊・不育症女性の合併症・併存疾患をどう扱う?
5.甲状腺機能異常
-—不妊・不育症女性と甲状腺機能コントロールの重要性—
片井 みゆき
1
M. Katai
1
1政策研究大学院大学保健管理センター(所長・教授)
pp.1597-1603
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001567
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近年,潜在性甲状腺機能低下症(SCH)における流早産リスクが指摘され,不妊症や不育症女性に対する甲状腺機能検査が広く実施されている。TSH>2.5μIU/mlのSCH女性への妊娠前・中のレボチロキシン(LT4)補充に伴う妊娠転帰の改善が注目され,LT4補充に関して2011年以降国際ガイドラインが次々と出された。現在,米国甲状腺学会(ATA)の「妊娠中・分娩後における甲状腺疾患の診断・治療に関するガイドライン2017年版」が最新である。日本のヨード充足状況などに鑑み,本ガイドラインの日本での適用とその問題点,子宮卵管造影剤の甲状腺機能低下への影響等について,生殖医療の進め方と甲状腺機能の注意点等を概説する。
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