特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
12.多胎妊娠
-e.双胎間羊水不均衡(TAFD)
高橋 雄一郎
1
Y. Takahashi
1
1岐阜県総合医療センター胎児診療科・産科
pp.1565-1567
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001554
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一絨毛膜双胎においては,双胎間輸血症候群(twin-to-twin transfusion syndrome;TTTS)のレーザー治療がわが国でも2012年に保険収載され,世界的にも第一選択治療と位置づけられている1)。しかし,一絨毛膜二羊膜(monochorionic diamniotic;MD)双胎全体からみると治療を行い積極的に救命にもっていける症例の割合は限られており,いまだに治療指針が定まっていない予後不良な類縁疾患がある。特に双胎間羊水不均衡(twin-amniotic fluid discordance;TAFD),一児発育不全(selective intrauterine fetal growth retardation;selective IUGR)はその代表といえる。MD双胎の日常臨床においては羊水量の不均衡はよく遭遇する病態であるが,その明確な管理指針はいまだ確立していない。以下,狭義の双胎間羊水不均衡から,広義の羊水量不均衡についても概説する。
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