特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
12.多胎妊娠
-b.無心体(TRAP sequence)
村越 毅
1
T. Murakoshi
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター産科・周産期科
pp.1555-1558
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001551
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無心体(acardiusまたはtwin reversed arterial perfusion sequence;TRAP sequence)は稀な疾患であり,35,000出生に1例もしくは一絨毛膜双胎の1%程度の頻度と推測されている1)。一絨毛膜二羊膜(monochorionic diamniotic;MD)双胎および一絨毛膜一羊膜(monochorionic monoamniotic;MM)双胎のいずれにおいても発生する。無心体への血流が自然遮断された例では予後良好であるが,無治療でかつ自然に血流遮断がない場合は,健常児(pump 児)は高拍出性心不全および胎児水腫へと進行する。これらの症状を呈した症例の予後は不良であり,自然経過での生存率は50%以下である1)が,適切な診断と治療により生存率は90%程度に改善される2)3)。
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