特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
5.頸部の異常
-c.頸部奇形腫
原田 宙実
1
,
永嶺 由貴恵
1
,
味村 和哉
2
,
遠藤 誠之
2
H. Harada
1
,
Y. Nagamine
1
,
K. Mimura
2
,
M. Endo
2
1大阪大学医学部附属病院総合母子周産期センター
2同病院胎児診断治療センター
pp.1447-1449
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001524
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頸部奇形腫は,3つすべての生殖細胞層(外胚葉,中胚葉,内胚葉)から派生する新生物であり,極めて稀な腫瘍である。腫瘍は頸部前面に発生し,乳様突起状に増大していき,上方では下顎骨に向かって発育し,耳を置換し顎を歪める。下方では,鎖骨や胸骨上窩あるいは縦隔の中へ広がることもある。後方へは,僧帽筋の前縁まで広がることもある1)。大きさは様々であるが,一般的に巨大化し,児頭を超えるものも報告されている。また,奇形腫は組織学的に成熟奇形腫,未熟奇形腫に分類される。胎児期の奇形腫は大部分が良性である。散発的であり,次児妊娠時の再発のリスクはない。
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