特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
5.頸部の異常
-b.囊胞性ヒグローマ,頸部リンパ管腫
原田 宙実
1
,
永嶺 由貴恵
1
,
味村 和哉
2
,
遠藤 誠之
2
H. Harada
1
,
Y. Nagamine
1
,
K. Mimura
2
,
M. Endo
2
1大阪大学医学部附属病院総合母子周産期センター
2同病院胎児診断治療センター
pp.1443-1446
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001523
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妊娠初期に発生する囊胞性ヒグローマは,頸静脈とリンパ管の発生異常による後頸部および側頸部に位置するリンパ管腫と定義される。この時期の囊胞性ヒグローマは,約60%に染色体異常を伴い,致死性の高いほかの疾患を合併することも多い。しかし,囊胞性ヒグローマ自体は病気ではなく,正常な胎児である可能性も残される。それに対し,妊娠末期以降に頸部に発生するリンパ管腫も慣例的に囊胞性ヒグローマと称する。ほかに異常所見がなければ,染色体異常やそのほかの疾患との関連性はないか,あってもごくわずかである。
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