特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第3章 胎児心臓の超音波検査
4.不整脈
-c.徐脈性不整脈
釣谷 充弘
1
M. Tsuritani
1
1花山ママクリニック
pp.1387-1388
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001506
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胎児徐脈性不整脈(胎児心拍数100bpm未満が持続)には,完全房室ブロック(congenital complete heart block;CCHB),Ⅱ度房室ブロック,洞不全症候群がある。また,QT延長症候群は洞性徐脈傾向があり,心室不応期も延長により機能的房室ブロックを起こすため徐脈性不整脈に分類されることがある。徐脈性不整脈は頻度が少ないが,疾患によっては胎内での診断が困難なものや,なかには胎内治療を要するものもあるため診断が重要である。だが,超音波検査中に記録される一時的な徐脈は迷走神経緊張の生理的変化に関連している可能性が高く,臨床的重要性はないため,あくまで持続する徐脈に臨床的意義があるとされる。CCHBと洞性徐脈との鑑別は非常に重要になってくるが,洞性徐脈とQT延長症候群との関連性が認められており,胎児の洞性徐脈を認めるときには両親の心電図検査が有益である可能性がある1)2)。
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