検査じょうほう室 生理 心電図の読みかた・8
不整脈の読みかた その4―徐脈性不整脈
南家 俊彦
1
,
三宅 良彦
1
1聖マリアンナ医科大学循環器内科
pp.762-767
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100974
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日常臨床で不整脈を診断する目的は,治療を要するか否かを決定することである.不整脈は数多くあるが,治療を主な目的として不整脈を分類するのに心拍数別(頻脈性・徐脈性)にすると有用である.年齢別の正常心拍数は生後1か月に最も多く,それ以降は徐々に減少する.年齢によって正常心拍数が異なるため,徐脈の定義も年齢によって異なり,成人では60拍/分 未満,生後7日~1か月では120拍/分,同様に生後1~7か月:100拍/分,生後7か月~2歳:85拍/分,2~3歳:80拍/分,4~6歳:75拍/分,6~9歳:70拍/分,9~12歳:65拍/分 以下の場合に徐脈と診断される.成人では60拍/分 以下が徐脈の定義であるが,臨床的に徐脈と判断されるのは55~50拍/分 以下の場合である.
徐脈性不整脈の成因には,洞結節における刺激生成の低下,房室結節や心室における伝導障害がある.不整脈を疾患単位として扱う場合は,心室内伝導障害を認める場合や不整脈を生じる可能性を考える病態〔QT延長症候群,ブルガダ症候群(Brugada syndrome)など〕も含まれる.
本稿では,不整脈のうち徐脈性不整脈について解説する(表).
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