特集 外陰疾患を極める
3.瘙痒(高齢者)
野口 靖之
1
,
若槻 明彦
1
Y. Noguchi
1
,
A. Wakatsuki
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.1101-1103
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000995
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外陰部における瘙痒感の訴えは日常診療においてしばしば経験され,その原因は多岐にわたる。高齢者においてエストロゲン欠乏による外陰腟萎縮は,外陰瘙痒の原因として頻度が高い。しかし,それ以外にも糖尿病や消化器,腎臓疾患の症状として外陰部瘙痒を自覚することがあり,治療管理において全身性疾患を念頭に置き除外することは重要である。さらに,エストロゲン欠乏は,外陰部瘙痒だけでなく腟炎を発症すると尿意切迫感,性交痛,帯下異常など多彩な症状を併発するため,症状に応じてエストロゲンと抗コリン薬の併用や抗菌薬投与を検討する。
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