特集 安全で安心な無痛分娩を極める
2.硬膜外無痛分娩の実際
-—手技とプロトコール—
入駒 慎吾
1,2
S. Irikoma
1,2
1一般社団法人日本無痛分娩研究機構(代表理事)
2株式会社LA Solutions(代表取締役CEO)
pp.565-570
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000874
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「無痛分娩は,2つのマネジメントで成り立っている。」といい表されることがある。1つは,カテーテル・マネジメントであり,もう1つはダイバーシティー・マネジメントである。後者のダイバーシティー・マネジメント(多様な職種間の管理)は別の項で代表的な施設の実例が出てくるため,本稿では前者のカテーテル・マネジメントに関してのみ言及する。
実際の硬膜外無痛分娩のカテーテル・マネジメントは,“硬膜外カテーテルの挿入”とそのカテーテルをどう使うかの“プロトコール”の2つに大別される。硬膜外カテーテル挿入は,書籍を見てすぐにできるようなるものではないが,知識の獲得や整理には重要となる。日本の医療構造では,麻酔科医だけですべての産科麻酔を提供できる状況にないため,産婦人科医による麻酔も当然のことながら容認される。ただし,硬膜外カテーテル挿入のトレーニング自体は,今後は麻酔科管轄下で受けることが前提となるであろう。また,硬膜外カテーテルは誰が挿入しても,実際に使用してみないとその有効性(信頼性)は判明しない。そのため,実際の使用にあたっての硬膜外カテーテルの評価が,質だけでなく安全面からも重要となってくる。信頼できないカテーテルを見抜くプロトコールが必要となるのである。
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