症例
産褥2カ月で診断された混合型子宮体癌の1例
吉村 拓馬
1
,
遠藤 拓
2
,
松尾 若奈
3
,
西山 晴子
3
,
須田 梨紗
3
,
持丸 佳之
3
,
荒瀬 透
3
T. Yoshimura
1
,
H. Endo
2
,
W. Matsuo
3
,
H. Nishiyama
3
,
R. Suda
3
,
Y. Mochimaru
3
,
T. Arase
3
1川崎市立川崎病院産婦人科
2聖マリアンナ医科大学産婦人科
3けいゆう病院産婦人科
pp.435-439
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000828
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子宮体癌はエストロゲン依存性に発育するものが大部分を占め,高プロゲステロン環境となる妊娠中や,妊娠直後に発生することは稀である。今回われわれは産褥1カ月で子宮腔内に遺残胎盤様の組織を認め,産褥2カ月で子宮体癌と診断しえた症例を経験した。組織型は明細胞癌,類内膜癌Grade 2の混合癌で,明細胞癌の成分が8割程度を占めていた。手術進行期はⅠA期,摘出検体に子宮体癌の遺残はみられなかった。産褥期に子宮内腔の遺残組織を回収した場合,稀ではあるものの子宮体癌の可能性も念頭に置いて組織学的評価を行うことが肝要である。
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