今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT
1.閉経後障害に対するホルモン補充療法(HRT)の必要性
五十嵐 正雄
1
Masao Igarashi
1
1群馬大学産科婦人科
pp.804-806
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901355
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更年期・老年期のestrogen分泌と HRTの必要性
更年期や老年期には卵巣からのestrogenの分泌はどうなっているのか。図11)は群馬大学中高年女性外来を訪れた女性の血中estradiol値を示す。Rは月経周期を示す女性,Cは更年期の女性,MOは閉経後1年以内,その後の横軸の数字は閉経後の年数を示す。更年期には血中E2は有意に低下し,閉経後2年以内(M0,M1)は更年期よりは低下するが,まだ多少E2は分泌されている。2年以上たつと低値すなわち分泌がほとんど停止していることを示している。このように卵巣からのestrogen分泌は更年期に低下し,老年期には閉経後2年以内にほとんど停止する。
このように分泌が低下したestrogenを外部から補充しようというのがHRT(hormone replace—ment therapy)である。estrogenでなくhormoneとしてあるのは,estrogenの他黄体ホルモンも併用することが多いためである。
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