症例
リポ蛋白リパーゼ(LPL)による脂質異常症を背景に発症した重症急性膵炎妊婦の1例
清水 孝規
1
,
永井 智之
1,2
,
田上 可桜
1
,
佐々木 恵
1
,
市川 さおり
1
,
吉田 祐司
1
T. Shimizu
1
,
T. Nagai
1,2
,
K. Tanoue
1
,
M. Sasaki
1
,
S. Ichikawa
1
,
Y. Yosida
1
1石巻赤十字病院産婦人科
2東北大学産婦人科
pp.811-816
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000505
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妊娠中にリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase;LPL)欠損症を背景に発症した脂質異常による重症膵炎の1例を経験した。33歳,妊娠38週時に持続性の腹部痛を主訴に搬送。血液,画像検査にて急性膵炎に起因する急性腹症と診断,同日緊急帝王切開術を施行した。その後急性膵炎に対する集約的治療を開始し,その一環としてLDL吸着療法を併用した。吸着療法の効果は乏しかったが,最終的には病状の改善が得られた。退院後も脂質異常が遷延したため高次医療機関にて精査した結果,LPL欠損症の診断に至り脂質異常症を背景に発症した急性膵炎と考えられた。
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