症例
血清hCG値が高値であったが子宮内に胎囊を認めず,しかし異所性妊娠が否定された3例
-―胎囊を形成しない流産と胞状化しない胞状奇胎―
椎名 有二
1
,
緒形 真也
2
,
深瀬 眞之
3
,
阿部 光展
4
Y. Shiina
1
,
S. Ogata
2
,
M. Fukase
3
,
M. Abe
4
1山形県立新庄病院産婦人科
2山形県立中央病院病理診断科
3鶴岡市立荘内病院病理科
4山形県立新庄病院検査部病理検査室
pp.685-689
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000471
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子宮内に胎囊を確認できず,血清hCG値が10,000単位を超える高値を呈したために異所性妊娠を疑ったが,結局正所の妊娠であった3例を経験した。症例1からは,高値のhCGを産生しているにもかかわらず胎囊を形成しない流産症例があることが確認された。また症例2と症例3からはこのような症例のなかには胞状化していない胞状奇胎(非胞状化奇胎)が隠れていることが確認された。非胞状化奇胎の診断のためには,臨床経過を病理医と共有することが大切であり,その際には血清hCG値の異常高値は非常に診断の参考になると思われた。
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