特集 PIHからHDPへ―妊娠高血圧症候群up to date―
9. 妊娠高血圧症候群症例分娩時の麻酔
-―帝王切開と無痛分娩―
近藤 勇人
1
,
照井 克生
1
H. Kondo
1
,
K. Terui
1
1埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
pp.639-644
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000461
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妊娠高血圧症候群の帝王切開術においては,脊髄くも膜下麻酔が第一選択であり,脊麻後低血圧対策を含めてその安全性がほぼ確立した。しかし主な術後合併症である乏尿や高血圧,肺水腫を防ぐ管理を麻酔中から行う必要がある。また,HELLP症候群など区域麻酔が禁忌となりうる病態にも注意が必要である。硬膜外無痛分娩は分娩・出産時の血圧管理に有用であり,帝王切開術の麻酔にも応用できる利点がある。しかし急激な低血圧を回避するためにも,全脊髄くも膜下麻酔や局所麻酔薬中毒を起こさないためにも,局所麻酔薬の少量分割注入を励行することが肝要である。
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