特集 エキスパートの内視鏡手術―コツとピットフォールⅡ
1.卵巣囊胞:腹腔鏡下囊胞摘出術
黒澤 大樹
1,2
,
深谷 孝夫
1
,
渡辺 正
1,2
,
中西 透
1
,
喜多川 亮
1
,
渡部 洋
1
H. Kurosawa
1,2
,
T. Fukaya
1
,
T. Watanabe
1,2
,
T. Nakanishi
1
,
R. Kitagawa
1
,
Y. Watanabe
1
1東北医科薬科大学産婦人科学講座
2同 若林病院産婦人科
pp.357-362
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000393
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卵巣囊胞は,生殖年齢によくみられる疾患である。卵巣チョコレート囊胞はいうまでもないが,それ以外の囊胞であっても囊胞摘出術による卵巣機能低下のリスクがある。手術を行うにあたって注意すべきことは,まず卵巣実質と囊胞の間の適切な層で剝離を行うことにより,卵巣実質を温存すると同時に出血を最小限に抑えることである。次に,出血点を正確に同定することにより,止血操作を最小限にとどめるようにする。卵巣囊胞摘出術は主に生殖年齢に対して選択される術式であるが,囊胞を残存なく摘出すると同時に卵巣機能を可及的に温存する必要があり,丁寧で繊細な手術操作を行うよう常に心がけなければならない。
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