特集 骨盤臓器脱の治療法up to date
各論
10.腟断端仙骨子宮靱帯固定術
-―腹腔鏡下手術への進化―
吉村 和晃
1
,
西村 和朗
1
,
蜂須賀 徹
2
K. Yoshimura
1
,
K. Nishimura
1
,
T. Hachisuga
2
1産業医科大学若松病院産婦人科
2産業医科大学産婦人科
pp.183-187
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000342
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近年,経腟メッシュ手術が世界的に減少しており,骨盤臓器脱手術のなかで,メッシュを使用しないnative tissue repair(NTR)が見直されている。その基本術式として子宮全摘と腟断端仙骨子宮靱帯固定術があり,これまで主に経腟アプローチで行われてきた術式である。腰椎麻酔で施行可能で,特別な道具や手技を必要とせず低侵襲である反面,視野が狭く尿管損傷のリスクが高く,症例によっては靱帯同定が難しい場合がある。また,トレーニングが困難であるため十分普及してこなかった。腹腔鏡を用いて本術式を行うことで術中合併症を減らし,後腹膜腔を展開することで靱帯同定・断端固定を確実に行うことができる。骨盤臓器脱手術の基本術式として普及することが期待される。
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