症例
子宮内膜細胞診を契機に敗血症,急性腎障害を呈したA 群β溶連菌感染症の1 例
大塚 聡代
1
,
木村 博昭
1
,
藤田 久子
1
,
糸井 瑞恵
1
,
新井 未央
1
,
神山 正明
1
,
小林 壮一
2
,
岡 義人
3
,
平敷 好一郎
1
1君津中央病院産婦人科
2同 外科
3同 救急・集中治療科
pp.1773-1777
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000239
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者は67 歳。帯下異常を主訴に近医を受診し,子宮内膜細胞診を施行された。検査翌日から腹痛が出現し,検査3 日後に急性胃腸炎の診断で前医入院となったが,急性腎障害を呈したため,検査4 日後に当院へ搬送された。A 群β溶連菌による腹膜炎,敗血症,急性腎障害,播種性血管内凝固症候群をきたしていた。抗菌薬投与,持続的血液濾過透析法,経腟的ドレナージで救命しえた。内膜細胞診は日常診療で頻繁に行われる検査であるが,重症な感染症を引き起こす可能性があることを念頭に置いた対応が必要となる。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.