症例
妊娠33週1日、重症新生児仮死をきたした臍帯卵膜付着の1例 外出血からのヘモグロビンF測定、診断への応用
藤田 久子
1
,
木村 博昭
,
片山 恵里
,
糸井 瑞恵
,
新井 未央
,
神山 正明
,
平敷 好一郎
1国保直営総合病院君津中央病院 産婦人科
キーワード:
Fetal Hemoglobin
,
出血
,
新生児仮死
,
胎児疾患
,
帝王切開術
,
妊娠後期
,
母性年齢35歳以上
,
緊急手術
,
卵膜付着
,
乳児死亡
Keyword:
Asphyxia Neonatorum
,
Cesarean Section
,
Fetal Hemoglobin
,
Fetal Diseases
,
Hemorrhage
,
Pregnancy Trimester, Third
,
Infant Death
pp.993-998
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016357561
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38歳(3経妊2経産)。32週5日に出血があり、切迫早産の診断で入院管理を開始したが、妊娠33週1日に破水感と性器出血があり、超音波検査で胎児徐脈を認め、急速に胎児機能不全となったため、緊急帝王切開にて児を娩出した。出生児はApgarスコア1点/2点の重症新生児仮死でHb 6.1g/dlと重症貧血を認め、胎盤所見では臍帯は卵膜付着で、卵膜の破綻部位付近を走行する臍帯静脈に断裂を疑う部位が観察された。発症時の外出血のHbFは79.3%であり、破水時に卵膜に付着した臍帯血管が断裂して胎児失血をきたし、重症貧血から胎児徐脈、重症新生児仮死に至ったと考えられた。
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