症例
妊娠後半の胎児巨大膀胱がきっかけで出生後早期に診断がついた尿生殖洞異常の1例
藤尾 加代子
1
,
仲村 亜紀子
1
,
渡邊 綱伸
1
1福岡新水巻病院産婦人科
pp.1303-1306
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000154
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われわれは今回,妊娠末期に急速に腫大した胎児の膀胱所見により出生後早期に診断がついた尿生殖洞異常の一例を経験した。症例は21 歳初産。自然妊娠。妊娠37 週より徐々に胎児の膀胱径の増大を認め,妊娠38 週には両側水腎症も認めた。胎児腹部の圧迫を懸念し,妊娠39 週1 日に選択的帝王切開術を施行した。児は尿生殖洞異常の診断であった。この疾患は幼児期の排尿障害や思春期の月経異常で発見・診断されることが多い。妊娠後半の胎児巨大膀胱の報告は少なく診断に苦慮したが,今回は胎内ですでに異常があったことから出生後早期に診断できた。
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