特集 産婦人科診療で用いられるバイオマーカー
母子感染症のマーカー(avidity index)
谷村 憲司
1
,
山田 秀人
2
1神戸大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
2神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
pp.1255-1261
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000147
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IgG avidity 検査は,病原体に特異的IgG の抗原に対する結合活性(avidity)が,初感染成立後から時間経過とともに増加することを利用した検査であり,初感染成立時期を推定するために用いられる。臨床的にIgG avidity 検査はTORCH 症候群のなかでも妊娠中の初感染による先天性感染発生リスクが高いとされるトキソプラズマやサイトメガロウイルス(CMV)の妊婦スクリーニングにおいて,特異的IgM 陽性者に対する補助検査として利用される。しかし,本検査はいまだ標準化されておらず,検査方法によってavidity index(AI)の測定値や参考判定基準値が異なるため,研究的検査としての位置づけであり,結果はあくまでも参考値として取り扱うべきである。
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