原著
CPD Index—dystocia indexの発展として
箕浦 茂樹
1
,
岡井 崇
1
,
原 量宏
1
,
坂元 正一
1
Shigeki Minoura
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.127-131
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
われわれはすでにCPD因子を中心とした分娩の難易度を表わす指標dystocia indexとその臨床応用について報告した。これは帝切群と経腟群とを判別する線形判別関数とロジスティック曲線とを用いて分娩難易度を確率として表わしたもので,産科手術,すなわち帝王切開術,鉗子分娩および吸引分娩の頻度と極めて関係が深いことが示された1〜4)。しかしこの診断論理からいえば,dystocia indexは本来ある症例が帝切になる確率を表わすべきものであり,日常臨床においても帝切するか否かの決定は分娩経過の予測と同時に極めて重要な問題である。
以上の点を考え,今回われわれはロジスティック曲線に現われる帝切群と経腟群の事前確率の比を臨床的に検討することにより,結果をその症例が帝切になる確率として出力することに成功したので報告したい。われわれはこのようにして得られた結果をCPD indexと名づけ,日常臨床に有効に利用している。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.