症例
腹部症状が先行し著明な低蛋白血症をきたしたIgA 血管炎の1例
佐伯 しのぶ
1
,
大塚 敬太
1
,
飯田 陽子
1
,
中農 昌子
1
,
高川 健
1
,
阪井 利幸
1
,
河原 信吾
2
1国保中央病院小児科
2かわはらこどもクリニック
キーワード:
IgA 血管炎
,
腹痛
,
低蛋白血症
,
蛋白漏出性胃腸症
Keyword:
IgA 血管炎
,
腹痛
,
低蛋白血症
,
蛋白漏出性胃腸症
pp.605-609
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/shJ.0000000055
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IgA 血管炎は,2012 年のInternational ChapelHill Consensus Conference on the Nomenclatureof Vasculitides(CHCC2012)で小型血管炎に分類され,免疫複合体性血管炎の一つに位置づけられている疾患である1).臨床症状の特徴としては血小板減少や凝固異常を伴わず,触知可能な出血斑や紫斑,関節痛あるいは関節炎,腹部症状,腎疾患(紫斑病性腎炎)などがある.初発症状として出血斑や紫斑が現れた場合の診断は容易であるが,腹部症状が紫斑に先行する場合は診断に難渋することも少なくない.今回われわれは,腹部症状が先行し著明な低蛋白血症をきたしたIgA 血管炎の1 例を経験したので報告する.
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